REPORT 

〈コラム〉

観光マーケティングとは何か?

観光マーケティングを実行して、地域で成果を出すための考え方

観光分野では、「観光マーケティング」という言葉が広く使われるようになりました。
一方で現場では、

といったように、意味が曖昧なまま使われているケースも少なくありません。

本記事では、観光デザイン研究所の視点から、
観光マーケティングとは何を指し、何を担うべきものなのかを整理します。


観光マーケティングとは何を指すのか

観光マーケティングとは、単に「人を集めるための手法」ではありません。
本来のマーケティングは、

誰に、どのような価値を、どのように届け、
それがどのように地域に循環していくのかを設計すること

を意味します。

観光に置き換えると、それは

構造的に考える行為です。


観光プロモーションとの違い

観光マーケティングと混同されやすい言葉に「観光プロモーション」があります。

両者の違いを整理すると、次のようになります。

プロモーションはマーケティングの一部であり、
マーケティング全体を代替するものではありません。

プロモーションだけを強化しても、

といった状態では、期待する効果は得られません。


なぜ観光プロモーションだけでは成果が出にくいのか

多くの地域で見られる課題は、
「打ち手」はあるが、「設計」がないという点にあります。

例えば、

これらはすべて、
マーケティングの視点が欠けたままプロモーションを行っている状態です。

観光マーケティングは、
こうした施策を 点ではなく線・面として捉え直す役割を担います。


観光マーケティングで本来考えるべき4つの要素

観光マーケティングでは、最低限次の4つを整理する必要があります。

1. ターゲット(誰に)

2. 提供価値(何を)

3. 接点・導線(どう届けるか)

4. 循環・継続(どう続けるか)

これらを整理せずに行う施策は、
短期的な成果が出ても、長続きしない傾向があります。


地域で成果を出す観光マーケティングの考え方

観光マーケティングで重要なのは、
短期成果と中長期の取り組みを切り分けて設計することです。

これらを混同すると、
「成果が出ていない」「意味があったのか分からない」
という評価になりがちです。

観光マーケティングは、
成果が出るまでの時間軸を含めて設計する行為だと言えます。


観光デザイン研究所が考える観光マーケティング

観光デザイン研究所では、観光マーケティングを
観光デザインの一部として位置づけています。

つまり、

のではなく、

構想し、実装し、改善するプロセス全体を設計する

ことを重視しています。

マーケティングは「やり方」ではなく、
観光を事業として成立させるための設計思想です。


おわりに

観光マーケティングは、
施策を増やすためのものではありません。

地域がどの方向を目指し、
どの価値を育てていくのかを明確にするための
共通言語です。

観光デザイン研究所では、
観光マーケティングを起点に、
地域の価値が持続的に循環していく仕組みづくりに取り組んでいます。