REPORT 

〈コラム〉

観光プロモーションの効果測定はどう設計すべきか

KPIが機能しない理由と、判断につながる指標の考え方

観光プロモーションを実施した後、
「効果測定をしてください」と言われて、
何を指標にすべきか迷った経験はないでしょうか。

  • SNSの表示回数やフォロワー数

  • Webサイトのアクセス数

  • 広告のクリック数

これらの数値は簡単に取得できますが、
それが本当に“成果”を示しているのかは、別の問題です。

本記事では、観光デザイン研究所の視点から、
観光プロモーションの効果測定を、どのように設計すべきかを整理します。


なぜ観光プロモーションの効果測定は機能しないのか

多くの現場で、効果測定が形骸化してしまう理由は明確です。

  • 取れる数値を並べているだけ

  • 目的と指標が結びついていない

  • 次の判断につながらない

つまり、
「測っているが、使われていない」状態です。

効果測定は、本来
次の行動を決めるためのものであるにもかかわらず、
「説明資料」や「報告のための数値」になってしまっています。


効果測定の前に整理すべきこと

観光プロモーションの効果測定を設計する前に、
必ず整理すべき問いがあります。

それは、

このプロモーションによって、
何が変われば成功なのか

という点です。

  • 認知を広げたいのか

  • 行動を促したいのか

  • 関係性を深めたいのか

目的が異なれば、
見るべき指標も変わります。


観光プロモーションのKPI設計の考え方

観光プロモーションのKPIは、
目的別に設計する必要があります。

ここでは、大きく3つに整理します。


1. 認知を目的とする場合

主に、

  • 新しい市場への情報発信

  • ブランドの立ち上げ期

などで重視されます。

代表的な指標は、

  • 表示回数

  • 到達数

  • 動画再生数

ただし、
これだけで成果と判断しないことが重要です。


2. 行動を目的とする場合

  • 来訪促進

  • 予約・参加促進

  • Webサイト誘導

が目的の場合は、

  • クリック数

  • Webサイト内の行動

  • 回遊状況

などが指標になります。

ここで重要なのは、
行動の「質」まで見ることです。


3. 転換・関係性を目的とする場合

  • リピーター化

  • ファンづくり

  • 継続的な関係構築

を目的とする場合、

  • 再訪率

  • メルマガ登録

  • 継続接触回数

などが指標になります。

短期では見えにくいものの、
中長期で最も重要な指標です。


なぜKPIが機能しなくなるのか

KPIが機能しない現場には、
いくつかの共通点があります。

  • 指標が多すぎる

  • 短期指標と中長期指標が混在している

  • 数値を見ても判断が変わらない

KPIは、
多ければ良いものではありません。

「この数値がこう動いたら、次はこうする」
という判断ルールとセットで設計されて初めて、
KPIは意味を持ちます。


効果測定を「改善」につなげるための視点

観光プロモーションの効果測定で最も重要なのは、
改善につなげられるかどうかです。

そのためには、

  • 定点で見る指標を決める

  • 比較対象を明確にする

  • 仮説を持って数値を見る

ことが欠かせません。

単年度で完結させず、
複数回のプロモーションを通じて学習する
という視点が重要です。


観光デザイン研究所が考える効果測定の位置づけ

観光デザイン研究所では、
効果測定を

成果を説明するための作業
ではなく、
意思決定を改善するための仕組み

として捉えています。

  • 次に何を変えるのか

  • 何をやめるのか

  • どこに集中するのか

これらを判断するために、
効果測定が存在します。


おわりに

観光プロモーションの効果測定は、
「数字を集めること」が目的ではありません。

  • 判断を変え

  • 行動を変え

  • 結果を変える

そのための 設計行為 です。

観光デザイン研究所では、
観光プロモーションの効果測定を含め、
観光を「続く事業」として成立させるための
仕組みづくりを支援しています。